背景
強皮症は、手指から始まる皮膚硬化が次第に全身に広がり、舌小帯短縮、食道や肺など内臓諸臓器の線維化を特徴とする原因不明で進行性の結合織病である。
多数のメディエイターを経て活性化された線維芽細胞による細胞外基質(ECM)の過剰産生が内皮細胞、リンパ球、マクロファージや線維芽細胞間で複合的相互作用によって起こることが示唆されているが、近年ブレオマイシン誘導強皮症モデルで、真皮の硬化と一致して、マスト細胞総数が増加したと報告され、強皮症とマスト細胞の関与が注目されている。
現在、対症療法以外に線維化の根治治療の有効性に関して、一定の見解は得られていない。このような状況で、強皮症の全身線維化の病態解明および根治治療法の確立は急務である。
当科では、強皮症の皮膚硬化に対して、Imatinibのパイロット試験が開始されているが、どのような症